トモダチゲーム(8)
トモダチゲーム(8)/山口ミコト・佐藤友生
手の痛みで追い詰められ覚醒した友一は心木と担任を利用して友罪裁判に勝利する。四部は逆転無罪となり釈放されるが、四部の借金5億は友一、心木、天智、四部の4人で背負うことになる。
4人で話し合い、さらに深まっていく沢良宜家の謎。つかの間の休息のあと、4人には「大人のトモダチゲーム」が待ち受けていた。
新ゲーム「友情の檻ゲーム」で早くも窮地に立たされる友一。勝ち抜くことはできるのか。
真の友情とはモロいものではないけど、大人になると友情より大切なものができるらしい。
大人になっても、美しさは死んでいないと感じられる瞬間が多いといいな。
ただお金って本当にトラブルの種になる。
お金なんかで友情を失ってしまわないようにしないとね...
キングダム(45)
キングダム(45)/原泰久
青年コミック売上2年連続No.1でしたね。
面白さは抜群で既巻数も多いので納得。
45巻では長く続いた黒羊の戦に、ついに終止符が打たれる。結果は秦軍の勝利。決め手となったのは、桓騎が最後に趙軍に通告した作戦だった。それは、
趙軍の実質トップである紀彗が城主をつとめる離眼城を攻め落とすというものだった。離眼城は趙のいくつもある城の一つであり、落とされたところで大きな被害があるわけではない。
しかし、紀彗は陣をしいていた丘を撤退、離眼城へと急ぐ。こうして手薄となった丘は秦軍によって簡単に攻略され、桓騎将軍は結果的に予想されていた半分以下の死者数しか出さずに戦に勝利したのだった。
なぜ紀彗は敗北を選んだのか。それは、桓騎が戦途中に村を襲撃し、戦いに関係の無い一般人を大量に虐殺したことが原因だった。
つまり離眼の民を同じ目に合わせるという選択は到底できなかったのだ。しかしこれこそが桓騎の狙いであり、だからこそ一般人を無残に殺す必要があった。
結果的には大勝利を収めたが、信は桓騎のやり方が気にくわない。それは飛信隊のみなも同じ気持ちで、今回の戦を経て、結束は強くなった。
そして!なんと蔡沢の算段で斉王王建と趙宰相李牧が秦の都咸陽を訪問!
いきなりの秦王嬴政と斉王王建の対談!
斉王の恐ろしいほどの圧の前で中華統一の目標を語り、他国の民が納得できないから無理だろうという意見に対して、答えは、用意してあった。それは、「法治国家」!七国の民、どの身分の者も法の下で平等な国!
この場面はマジで鳥肌立つ。
納得した斉王は、秦が他国と戦をするときは静観し、斉が残って、そのとき秦王の目が濁っていない場合、国を明け渡すという、非公式ではあるが事実上の降伏宣言をする。これは凄すぎる。この大仕事を終えた蔡沢は静かに息を引き取った。
その後、秦王は李牧と対談。七国同盟を組めば戦いはなくなると主張する李牧。そんなものは今まで何度も繰り返されてきたが何の効力も持たなかったと秦王は一蹴。李牧は声を荒げて趙の勝利と秦の敗北を予言し、咸陽を去ったのだった。
来たるべき戦に向けて飛信隊も募兵。決して弱くはないはずが、黒羊の戦で慶舎の精鋭部隊に歯が立たなかった飛信隊。基礎能力の高い兵を集めようと厳しい試験を課す。
そこに体力がなく落ちてしまったある兄弟がいた。しかし、信や河了貂に直接弓矢の技量を見せる機会を得る。兄弟はそこで、なんと通常の弓の試験の10倍の距離から走る人と人の合間を縫った射的を決める。飛び抜けた技量を持つ2人が弓を習った師である父蒼源は、秦で唯一「中華十弓」に名を連ねる達人であることが判明する。
まーた個性あるキャラが来た。めっちゃ役に立ちそうで楽しみ。
不滅のあなたへ(1)
不滅のあなたへ(1)/大今良時
壮大なスケールで描かれるファンタジー。
冒頭は
それははじめ 球だった
そして
私は“それ”をこの地へ投げ入れ
観察することにした
つまりこの物語の語り手は神か何か、人知を超えた存在だと思われる。
この球は、ありとありゆる物の姿を写し取り、変形する。球から、石→コケ→オオカミ
そして、ヒトに姿を変える。
球には学習能力があり、何度も死ぬ状態を経るが、確実に学んでいく。
このはじめは何の感情も感覚もおそらく思考も持たなかった球が「刺激」を得てどんどん成長していく。
その様子に加えて、面白いのが周りの人間たちの、人間らしさ。
この人の描く人間って、ものすごく人間らしさがある。表情は、秀逸すぎる。
人間じゃないけど、最後の、オオカミがありがとうと言った時の目。
素晴らしすぎて笑えてくる。
今際の路のアリス(4)
ワイめちゃ推し漫画である今際の国のアリスの麻生羽呂が原作のマンガで、テイストも似ている。
気づいたらどこか知らない場所にいて、持っているものは1枚のトランプ。
トランプが鍵を握っている感じを出してくるが、どうなのか。
未知の土地かと思いきや、建物でわかってきたのは今いるのが自分たちの知る大阪だということ。しかし完全に風化しており、もし仮にこの世だとすると何百年かは経っていそうだ。
そんな世界に放りだされた人々は、東京を目指し始める。その道中、徐々に狂っていく人々。それぞれのバックグラウンドも、複雑だった。
主人公のアリスは元軍人のハヨンに目をつけられ、命を狙われる。友達のキーナとなんとか逃げのびたアリス。その頃ハヨンはまた別の誰かに命を狙われていた...
謎が深まるばかりの4巻でした。
とりあえず、
みんな今際の国のアリス読んでほしい。
背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ〜(9)
背すじをピン!と〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜(9)/横田卓馬
9巻アツすぎ笑
まずはスタンダード部門の結果発表から!!!
土井垣・綾辻ペアは絶対王者咲本組を打ち負かすことができるのか...
そして試合はラテン部門へ。
椿も登場し、八巻にとっても本命の戦いが始まる。
幼い頃に天才少年と呼ばれた畔田も出場。スタンダードの結果をきっかけに、畔田は自分の中に序列をハナから決めつけるダサい一面があったことを反省していた。パートナーである仙崎の言葉でも燃え上がり、ラテンでは実力をいかんなく発揮する。
八巻と椿も、前からお互いの性格が合わないことは承知の上だったが、実は合宿で二人の溝はさらに深まっていた。
勝ちにこだわる八巻と、多少なりともミーハーな部分を持ち合わせる椿の温度差。
しかし椿が今大会にかける想いはいつもとは違った。勝とうというその1点のみにおいて、2人の心は同じ方向を向く。得意のジャイブで圧倒的なパフォーマンスを披露。もちろん咲本組、畔田組も引けを取らない。
ますますヒートアップ!!
プラチナエンド(5)
4巻のレビューでは酷評してたけど、まさかまさかの5巻がおもしろい問題。
5巻からおもしろくなるのがおもしろい。
正確に言うと5巻の途中、新キャラの底谷一(そこたにはじめ)が探偵に日本刀を突きつけてるシーンからおもしろい。
つまらなかった原因としてセリフと絵との違和感が大きいと思ってて、5巻序盤読んでてそれに加えて明日(みらい)と咲ちゃんの言動が寒いってことに気づいた。
熱血とそれを超えて寒いっていうラインは個人差もあるとは思う。俺はかなり寒く感じてしまった。
その寒い場面が終わって、場面展開して底谷一が出る。この場面展開と、そこからの絵のクオリティーがおもしろさの全てだと思う。
以前のメトロポリマンとの対決のときは、命がかかっているにも関わらず全然ドキドキしなかった。キャラの感情の起伏が激しすぎて読者がおいてけぼり。
でも今回では、場面展開のインパクトで一気に引き込んで、さらに展開後徐々にシリアスさを増していくことで読者もちゃんと物語のスピード感についていくことができて、戦闘シーンで盛り上がれる。
絵のクオリティーも絶対上がってるしなー。
そもそもこの人めちゃくちゃ絵上手いから手抜くともったいないんだよなぁ
6巻ワクワク。