ダンス・ダンス・ダンスール(1)〜(4)
ダンス・ダンス・ダンスール(1)~(4)/ジョージ朝倉
バレエを題材としたマンガ。社交・競技ダンスはいくつか読んだことあるけどバレエは初めてかな。
潤平は小さい頃バレエが好きだった。しかし父の死をきっかけに「男らしさ」を重視して、格闘技を始める。しかし心の奥の方ではバレエに対する情熱が消せず、ずっとくすぶっていた。
そんな潤平は転入生の美少女、都に出会う。都は潤平のバレエの才能に惚れ込んで...
以上、1巻の中盤くらいまでの概要。
登場人物がすごく直情型で、想いに言葉がついていかない感じが独特の空気を出してる。
普通マンガでどもるのはそういうキャラ設定をされた人間で、終始一貫してどもる。けど実際には、どもることがある人間がどもらないこともある。ある状況下でそうなるだけで、緊張しなければ普通に喋れる人が多いと思う。
結構自分がそうだから、登場人物の気持ちがわかるよね。笑
逆に、読んでてイライラする人も中にはいるかも、という感じ。
俺はリアル感があって好きな作品。バレエだけが描かれているマンガじゃないし、バレエを全く知らない人でも楽しめる。
はねバド!(9)
女性主人公でこんなアツいマンガ他にあるかな...
はねバド!(9)/濱田浩輔
羽咲綾乃はバドミントンの天才。天才ならではの苦悩を持つ綾乃だったが、仲間や敵、自分との真剣な「対話」を通じて成長していく。
最新9巻では神奈川県予選準々決勝。綾乃たち北小町高校は前年度優勝校の横浜翔英高校との最終S3が決着。勝つのは泉か、それとも橋詰か。そして綾乃はライバルである薫子のおかげで自分を知ることができ、目標も堅固なものとなる。
本巻では、俺は橋詰の苦悩がすごくわかるなあ。
橋詰は才能があって(綾乃とかなぎさほどじゃないけど)初めから上手く、最高レベルの特待生として名門横浜翔英に入った。その結果、どこか慢心したようなところがあり、練習でもこっそり本気を出していなかった。
だから今回の試合で格下であるはずの泉が追い上げてきたときに、自分のサボりが頭をよぎり、メンタルが崩れる。
努力していない者はいざ窮地に立たされたとき精神的に頼るものがなく、逆に自分の甘えを思い出して悲観的になってしまうことがある。
勉強もスポーツもその他もろもろについてもそういう根本は同じだと思っていて、努力は精神的支柱としても必要かなと(橋詰の場合、自分より強い人がいないチーム環境のせいというのもあるけど)。
でもこんな人ばっかりじゃないのかな~、この世の中って。誰もが自分はまだやれるって思うけど、行動には移さず、見えない勝負に負けている。変われるのは一握りの人間だ。
人生まで考えさせられるいいマンガ。
トモダチゲーム(8)
トモダチゲーム(8)/山口ミコト・佐藤友生
手の痛みで追い詰められ覚醒した友一は心木と担任を利用して友罪裁判に勝利する。四部は逆転無罪となり釈放されるが、四部の借金5億は友一、心木、天智、四部の4人で背負うことになる。
4人で話し合い、さらに深まっていく沢良宜家の謎。つかの間の休息のあと、4人には「大人のトモダチゲーム」が待ち受けていた。
新ゲーム「友情の檻ゲーム」で早くも窮地に立たされる友一。勝ち抜くことはできるのか。
真の友情とはモロいものではないけど、大人になると友情より大切なものができるらしい。
大人になっても、美しさは死んでいないと感じられる瞬間が多いといいな。
ただお金って本当にトラブルの種になる。
お金なんかで友情を失ってしまわないようにしないとね...
キングダム(45)
キングダム(45)/原泰久
青年コミック売上2年連続No.1でしたね。
面白さは抜群で既巻数も多いので納得。
45巻では長く続いた黒羊の戦に、ついに終止符が打たれる。結果は秦軍の勝利。決め手となったのは、桓騎が最後に趙軍に通告した作戦だった。それは、
趙軍の実質トップである紀彗が城主をつとめる離眼城を攻め落とすというものだった。離眼城は趙のいくつもある城の一つであり、落とされたところで大きな被害があるわけではない。
しかし、紀彗は陣をしいていた丘を撤退、離眼城へと急ぐ。こうして手薄となった丘は秦軍によって簡単に攻略され、桓騎将軍は結果的に予想されていた半分以下の死者数しか出さずに戦に勝利したのだった。
なぜ紀彗は敗北を選んだのか。それは、桓騎が戦途中に村を襲撃し、戦いに関係の無い一般人を大量に虐殺したことが原因だった。
つまり離眼の民を同じ目に合わせるという選択は到底できなかったのだ。しかしこれこそが桓騎の狙いであり、だからこそ一般人を無残に殺す必要があった。
結果的には大勝利を収めたが、信は桓騎のやり方が気にくわない。それは飛信隊のみなも同じ気持ちで、今回の戦を経て、結束は強くなった。
そして!なんと蔡沢の算段で斉王王建と趙宰相李牧が秦の都咸陽を訪問!
いきなりの秦王嬴政と斉王王建の対談!
斉王の恐ろしいほどの圧の前で中華統一の目標を語り、他国の民が納得できないから無理だろうという意見に対して、答えは、用意してあった。それは、「法治国家」!七国の民、どの身分の者も法の下で平等な国!
この場面はマジで鳥肌立つ。
納得した斉王は、秦が他国と戦をするときは静観し、斉が残って、そのとき秦王の目が濁っていない場合、国を明け渡すという、非公式ではあるが事実上の降伏宣言をする。これは凄すぎる。この大仕事を終えた蔡沢は静かに息を引き取った。
その後、秦王は李牧と対談。七国同盟を組めば戦いはなくなると主張する李牧。そんなものは今まで何度も繰り返されてきたが何の効力も持たなかったと秦王は一蹴。李牧は声を荒げて趙の勝利と秦の敗北を予言し、咸陽を去ったのだった。
来たるべき戦に向けて飛信隊も募兵。決して弱くはないはずが、黒羊の戦で慶舎の精鋭部隊に歯が立たなかった飛信隊。基礎能力の高い兵を集めようと厳しい試験を課す。
そこに体力がなく落ちてしまったある兄弟がいた。しかし、信や河了貂に直接弓矢の技量を見せる機会を得る。兄弟はそこで、なんと通常の弓の試験の10倍の距離から走る人と人の合間を縫った射的を決める。飛び抜けた技量を持つ2人が弓を習った師である父蒼源は、秦で唯一「中華十弓」に名を連ねる達人であることが判明する。
まーた個性あるキャラが来た。めっちゃ役に立ちそうで楽しみ。
不滅のあなたへ(1)
不滅のあなたへ(1)/大今良時
壮大なスケールで描かれるファンタジー。
冒頭は
それははじめ 球だった
そして
私は“それ”をこの地へ投げ入れ
観察することにした
つまりこの物語の語り手は神か何か、人知を超えた存在だと思われる。
この球は、ありとありゆる物の姿を写し取り、変形する。球から、石→コケ→オオカミ
そして、ヒトに姿を変える。
球には学習能力があり、何度も死ぬ状態を経るが、確実に学んでいく。
このはじめは何の感情も感覚もおそらく思考も持たなかった球が「刺激」を得てどんどん成長していく。
その様子に加えて、面白いのが周りの人間たちの、人間らしさ。
この人の描く人間って、ものすごく人間らしさがある。表情は、秀逸すぎる。
人間じゃないけど、最後の、オオカミがありがとうと言った時の目。
素晴らしすぎて笑えてくる。